元・飲食店従業員が問題を考える:虫混入事件

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最初に

この記事は「擁護・批判・批評」を目的としたものではありません

私が飲食業に従事していた時に感じたものをお伝えするものです

概要

2011年11月16日のTwitterに公開された事件のお話です

 

食べていたもつ鍋に虫が入っていた

というもの

原因は「白菜の洗い残し」

法律的には「弁護士高橋裕樹のリーガルチェックちゃんねる」がおすすめです

法律的な観点は私の専門外なので・・・

 

では、なにを話すのかというと

従業員はなにをしていたのか、という点

今回の問題は「白菜の洗い残し

現実的に考えると「洗い残す」というのは

ありえないこと

 

飲食業回どうなってんの?!

 

そう思うと思います

なので「過去」の話ですが

飲食業ってどうなの?

というお話をちょこっとだけ

筆者と飲食業

私はとあるファミフレスに7年

調理場で働いていました

今回の問題「洗い残し」「虫の混入」に注目して

お話ししようと思います

虫の混入について

大前提ですが、虫の混入自体はあり得ます

農家さんが作った野菜に虫がついている

それ自体は至って「通常」なのです

私の働いていたファミレスでは

サラダ用レタスに多かったのですが

個包装されていてもいます

これは間違いありません

 

なので「必ず流水にさらします」

なにがあろうとも必ずです

忙しい、人手がないとか関係なく

必ずなんです

それくらい虫というのは混入するものです

洗い残しについて

本来、洗い残しというのはあり得てはいけない話です

それは先ほどの「虫の混入」でお話しした通り

「必ずいる」からしっかり洗わないといけない

この理屈はご理解いただけると思います

 

洗うと言っても大きな荒目のザルに入れて

流水で流しながら野菜を水にさらす

今回問題になった小さな虫ならば

これだけで混入する可能性がかなり下がります

お店によって対応は違うとは思いますが

野菜をフレッシュに見せる

虫を洗い流す

この2点は飲食業は必須とも言えるお仕事です

 

クレームで多いのも「虫」「髪の毛」の混入なんですよね

 

一般家庭でも軽く洗い流すをすると思います

勘違いされがちなこと

今回の事件は洗い流すという作業についての「怠慢」だったり

簡単な作業なのに」という記事が多かったように思います

確かに、白菜1つを丸洗いして、1枚づつ洗うことは

そこまで難しくないでしょう

飲食店業従事者なら分かると思いますが

1日の白菜の量は家庭の何10倍という量です

今回の店舗が実際どれくらいの量の

白菜を仕込んだのかはわかりませんが

少なく見積もっても10個以上仕込んでると思います

一般家庭基準の作業量で測ってはいけない

これ重要です

なので店側もお客が減る16時〜を

作業時間として割り当てているわけです

作業は白菜だけではないですよね?

 

私が働いていたファミレスはそれ以外の作業を含め

18時くらい夕食を食べにくる早い客層までの2時間で

仕込みが間に合うかどうかだった日が多かったと思います

そうです、約2時間のうちに夜時間の準備をしなくてはいけません

もちろん早朝にも仕込みはしています、しているはずです

ですが毎日の入店量なんて流動するもの

毎日予想外の入店や余りがでます

「当たり前だろう!」と思われるかもしれませんが

それが現状」でした

「言い訳だ!」「怠慢だ!」色々あるでしょう

でも「予測できない流動的な作業量それが飲食業なのです

問題を考えていく

現場の問題点1:食材管理

ファミレスに代表されるフランチャイズ等のお店は

そもそもの「食材」というものが面倒臭いです

居酒屋等のフランチャイズも同等でしょう

こういったものの管理は営業のモデル上

どの店も同じような施設になりがちです

レタスという野菜ひとつにとっても

個包装されたものの店もあれば

収穫されたものが段ボールで届くお店もあるでしょう

後者であれば作業量が増えます

個包装されたものを洗うより

そのままの野菜を洗って切ってする方が大変ですしね

保管場所においても、とても清潔なんてことはないでしょう

そもそも食材倉庫というものがない場合が多いです

入れる冷蔵庫(ウォークインと言います)に

まとめてコンテナ積みだったりします

玉ねぎはメッシュで常温で、とかではなく

一律、冷蔵庫です

食材に適した、温度、湿度、場所など

個人店などと比べると結構違うものです

現場の問題点2:客数

客数と書いていますが

回転数というのも大事になってきます

回転数とは

入店して退店するまでの時間と客の入れ替わり頻度

と言えばいいでしょうか?

1時間にどれくらい客が来るか

というのがわかりやすいかもしれません

ファミレスや居酒屋などは少なくても

60〜という席数があります

そして一人1品ではないですよね?

3品の人もいれば6品頼む人もいます、総じて

1時間で120〜の最大作業量となります

 

この作業中に追加で「洗って仕込むことがある」

というのが問題です

先ほど「忙しくても洗い残しはあり得てはいけない

としました、これは大前提で

「漏らし」というのが出てしまう

というのが客数が多いと発生するだろうということです

 

私の経験した混入クレームは多くが「忙しい時」でした

もちろんそうでない時もありましたが

比率として「忙しい>暇」です

現場の問題3:従業員数

従業員数の問題についてです

よくファミレス、居酒屋はブラック

というのを耳にすると思います

私も例に漏れずブラックに当たりました

 

「なにが」ブラックなのか?

「なぜ」ブラックなのか?

 

これを説明できますか?

多くのブラックの理由の一つ

従業員が必要数居ない

ということ

 

これを満たすのはまず不可能です

「予測できない流動的な作業量」という話をしました

必要な時に従業員を増やし

不必要であれば従業員を減らす

というのを「即時できない」からです

 

「今から出てきて!!!」というのを

お休みの日に言われて出たいですか?

 

多くのお店が「一番忙しい時」を基準に

従業員を+αでとっています

これはシフト制という利点です

一番忙しい、例えば「休日の19時付近」として

従業員を確保していたとします

「平日の17時付近」はそれほど必要ないとして

メンバーを少なくしています

そんなタイミングで「部活終わりの学生」が

大勢で来たとすれば・・・

まず、仕込みが間に合うことはありません

もちろん頻繁にあることではないです

 

ですがこの「たまたま」というのは

客にとっても「たまたま」になり得ることとが問題なのです

「たまたま」従業員が少ない時に

「たまたま」大勢来店して

「たまたま」仕込みが間に合わず

「たまたま」作業の漏らしが発生する

そして提供したものに異物が混入する

 

改めて言いますが「擁護する目的ではありません

こういったことが「実際」に「あった」お話しです

 

本来、マニュアルというのは「たまたま」ということはありません

客にとって「まともではない」という状況は店にとっても

まともではない」状況で起こることがあるということです

 

そうして「異物混入・食中毒」といった

大事が起きる(起きた)わけです

 

先ほどの「たまたま」ですが

食材を洗うことができる人が一人いた場合防げたでしょう

なので

緊急対応要員が居ない、作れない

状況にも問題があるわけです

 

従業員が不真面目というのはそもそも問題以前のお話ですので割愛します

 

緊急対応員の話

導入すればいいのにと思っていた制度なのですが

予定としてシフトを組んでいる従業員とは別に

日給の臨時従業員を入れろ

という案を出したことがあります

もちろん却下されましたが

 

どういうものかというと

休憩所に開店〜閉店で常駐して

「たまたま」があった場合等に対応する従業員

一人二人いれば、万が一が防げるよね

というお話しです

雑用でもいいし、しっかりした作業でもいい

「基本は」シフト制の社員とバイトが回して

手が足りない時に「すぐに呼べる人」を

日給雇いで置いておくという案です

バイト等は短時間の基本時給です

この常駐員は半日や1日拘束で

「臨時だけ」出るため日給で拘束するわけです

何もなければ「居るだけ」あればガッツリ働くことになるでしょう

 

これ、本来は社員が控室にいてデスクワークやってて

臨時だけ出てくるってすればいいだけの話でもあります

 

ですが、どこの飲食フランチャイズ店でも

店長しかりの社員が1日ずっと表で働いてるんですよね

そりゃ、「事故」は減らないわけです・・・

まとめ

今回の事件は問題となった飲食店が

衛生管理で営業停止になってもおかしくない事件です

 

ですが防げた点は多くあったはずです

  • 作業と従業員数は十分だったか
  • 「たまたま」は起き得ないよう工夫していたか
  • 作業すべき手順・方法はまもったか

店側の対応も色々あったみたいですが

「混入が起きる理由」を考えるのならばこんな感じですね

 

そして、今一度考えないといけないなと思うのは

調理や仕込み作業を「家庭目線」で考えないことですね

1つ1つは簡単でも「お店」は単位が違うこと

 

もちろんお店はそれを言い訳にしませんしてはいけませんけど

知らない」のであれば「批判すべきではない」ですね

 

被害に遭われた当事者の体調も心配ですし

二度起こってはいけないお話ですが

これを機会にお店側も経営を考え

客もそういったことがあり得る

という情報を知れるといいなと思いました

 

あと、拡散しやすい世の中になった事で

危険を知れるようにはなりました

ですが一歩も違えば犯罪になりかねないということもあり得るので

色々な情報を得ることをこの世の中だからこそ

怠ってはいけませんね

なので

法律的には「弁護士高橋裕樹のリーガルチェックちゃんねる

をおすすめしています

おすすめをしていますが自分でも法律を調べて

『被害者』だけど『加害者』」にならないよう注意してくださいね

最後にもうひとつ

こういった話は景気が悪いと発生しやすいです要はお金問題

従業員目線

働くのが安い

忙しいと割に合わない

手を抜くことがある

やってはいけないラインの手を抜く

「問題」が起きる

飲食業って安いんですよね

そうなるとこういった考えのバイトは少なからずいます

 

お店目線

客数が取れない

お金を回せない

人件費をカットする

忙しい時回せなくなる

従業員目線が発生する

「問題」が起きる

というものまず人件費は結構大きいです

ですが「最も」といっていいほど

カットしてはいけない部分だったりします

これを踏まえた上で飲食店の値上げは

問題を未然に防ぐ対策だったりします

ですが客としては高くなると足が遠のく

 

結局、景気が良くないと問題は発生して

しかるべき状況でもあるわけですね

なので今の日本は「最も問題が発生しやすい」状況

とも言えます

 

もっと消費税廃止とか

そういった景気向上を政治が考えないといけないですし

そういった政治のために選挙に行かないといけない

という話にもなります

という余談でした・・・。

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